台湾クライミング旅(2)

台湾クライミング旅(2)

前の晩にイェンジン君から電話がありました。イェンジン君は台湾の花蓮で『Bonus bouldering Gym』ジムを経営している友人。カメロにも来てくれたことがあります。

『キヨコたちは明日何時にホテルを出るの?』
「朝8時の予定だよ」
『それなら僕が7:45に岩場を見に行くよ。雨でびしょびしょだったら連絡するから、そのままホテルで待ってて。僕がホテルまで迎えに行く。台北の新しいジムと台北観光に連れて行ってあげる』

え!?彼の住んでる花蓮はすごく遠いのです。車で3時間の距離。それを私たちのために飛ばしてきてくれるという。なんて優しいの…。なんだか申し訳ないけど、片言の英語では遠慮を上手に表現できなくて、彼の優しさに甘えることにしました。
朝、約束通り7:45に連絡をくれました。『今岩場の近くにいるけど、一晩中ザーザー降りだったから道路に水たまりができてるし、岩もきっと濡れてるよ。だから台北のジムと観光に行こう』

しかし、ユウさんは納得しません。
「岩場まで行って、岩を触って、自分の手で確かめたい」

『わかった。じゃあ迎えに行くからそのままホテルで待ってて』

イェンジン君なんていい人なの!涙出ちゃう。

彼の車に乗って、今回の旅の目的地、海辺の岩場『龍洞岩場』に向かいます。強めの雨が降っています。でもユウさんは登る気満々。岩場の天気は行ってみなきゃわからない。岩が濡れてるかどうかは触ってみなきゃわからない。

現地へ到着すると、雨は降っていませんでした。でも強風がハンパない。天気予報では風力5でしたから(たぶん5段階)。道路はびちょびちょで絶望的に見えるけど、ユウさんは何度も言うのです。「岩を触るまでわからない」。わかりました、行きましょう。

駐車場から岩場までは歩いて15分くらい。打ち付ける波の音が重低音でちょっと怖い。台風のような強い風に気持ちがくじけそう。。。

しかし奇跡は起きるのです。一晩中雨が降ったにもかかわらず、岩は乾いている!濡れてるのかもしれないけど、乾いているとしか思えない感触。ユウさんドヤ顔。「いつ雨が降り出すかわからないから、とりあえず1本登ろう!」ということで急いで準備してクライミング開始。

途中で強めの雨が降ってきて服がびっちょりになり撤収という言葉がよぎりましたが、その雨雲が遠ざかった後は強く降ることはなく、14時まで School Gateエリアの東面・南面のルートを堪能できました。

登ったのは
555 Seaface Left 5.6 trad
556 Seaface Right 5.7 trad
550 Oh! 5.8 sport
548 Bull King Dihedral 5.7 trad
542 Stepover 5.10b sport
547 Reincarnation 5.11c sport

いやー満足 満足◎ 車に戻ると ずしーんと疲れが押し寄せました。雨と風に体温を奪われつつも むさぼるようにたくさん登ったので もぅぐったりです。イェンジン君が『別のエリアも見せてあげるよ』と車を走らせました。疲れてるので見るだけならOKよ♪レッツゴー!

Back Doorエリア・Golden Valleyエリア の上部に到着。この下が崖で全部クライミングエリア。ダイナミックです。

なんとなく雲行きが怪しい。そしてかなりの疲労感。そろそろ帰ろうよ~と思っていたら、ユウさんが「岩を触りに行こう」と。やだ!もう疲れたよ。でもユウさんの足は止まりません。岩場まで雨でドロドロになった道をずんずん降りて行きます。

靴もズボンも泥だらけ。もぉ!あーもーやだ。くたくただし、もう登る元気ないんですけど。キヨコは文句タラタラ。でもユウさんはスパルタです。「とりあえず1本登ってみよう」。出た、ユウさんの「とりあえず1本」。ビールかよ。

急いで準備して、登ったのは
175 Dragon’s Back 5.10b sport
176 One Fine Rainy Day 5.7 trad
174 Never 5.11a sport

疲れてる中がんばりました。日も暮れてきたので本日のクライミング終了です。お疲れさまでしたー。雨で一度も登れない旅になったらどうしようかと心配でしたが、登れて本当に良かったです。

イェンジン君がシーフードの美味しいローカル店に連れて行ってくれました。かなり疲れていたしすっごく美味しかったのでバクバク食べちゃった。

これは甘くないパイナップルの上に海老のフリットが乗ったお料理。意外な組み合わせがたまらなく美味しかったです。そのほかにも、ホタルイカの炒め物、牡蠣のスープ、海藻の卵炒め、タコの唐揚げ、空心菜炒め、焼き魚など、どれもめちゃくちゃ美味しかった~。

台湾ビールでほろ酔い中、近くのスーパーでお買い物。イェンジン君がお勧めのフルーツやお菓子を紹介してくれました。そしてホテルまで送ってくれました。

ウトウトする私たちを乗せて、イェンジン号は走ります。岩場とホテルは車で45分の距離。そこをイェンジン君は今日一日で2.5往復もしてくれたのです。なんて優しいの。。。語学が未熟で感謝の気持ちを伝えられないのがもどかしい。

イェンジン君、本当にありがとう◎ おかげで充実した一日になりました。

ナイス判断のユウさんにも大感謝です。

はぁぁ、長い一日だった。疲れた~。早く寝よっと。つづく